母子家庭になって、シングルマザーがまず直面するのは「お金」の問題です。子供と生きていくため、シングルマザーは仕事をして生活費を稼いでいかねばなりません。
ただ、小さな子供をもつシングルマザーには、仕事ができる曜日・時間帯といった就労上の制限が数多くあります。そのため、いざ仕事を探そうと思っても、むずかしく感じるものばかり。結局、良い求人を見つけられないまま、時間だけ過ぎるケースが多いです。
また、仕事を探すにあたってシングルマザーが心の片隅に感じるのは、「やはり正社員として働くことを目指すべき?」「無理して働いても、結局、児童扶養手当が減るだけ…?」といった不安や疑問。子育てしながら働くことに関して、シングルマザーの悩みは尽きません…。
このページでは、小さな子供をもつシングルマザーの仕事の選び方&働き方を解説について解説します。
シングルマザーが仕事を探すときの3つのポイント
シングルマザーは仕事をして、一家の生活費を稼がねばなりません。
ただ、小さい子供をもつシングルマザーには、平日の日中しか働けなかったり、子供が病気になったときに欠勤・早退・遅刻する可能性があったりするなど、就労上の制限が数多くあります。そのため、求人情報を見ても、どれもむずかしく感じられ、時間ばかり過ぎるケースが多いです。
そこで、シングルマザーが仕事を探すときは、次の3つのポイントを明確にしておくことをオススメします。
仕事を探すときに明確にしておくべきポイント
- 最低限必要な収入
- 最低限の就労条件
- 自分の強み
これら3つをハッキリさせることで、頭の中に「応募の最低基準」を作ることができ、応募の選択肢を拡げつつ、速やかにその可否の判断ができるようになります。
それぞれについて、詳しくお話しします。
最低限必要な収入
小さい子供をもつシングルマザーが仕事を探すにあたり、まず、最低限必要な収入を明確にしておきましょう。
最低限必要な収入を明確にした上で仕事を探すことによって、「毎月必要な最低限の生活費」と「シングルマザーの働きやすい条件」の両方を満たす求人を見つけやすくなります。
たしかに、収入は高いに超したことはありません。ただ、収入が高い仕事ほど、資格が必要だったり、夜間や土日祝日の勤務が必要だったり、残業が多かったりするなど、シングルマザーにとって働きにくい条件のものが多いです。
最低限必要な収入を基準に仕事を探せば、シングルマザーの働きやすい条件の求人が多く見つかるようになります。
最低限必要な収入を明確にする方法
最低限必要な収入を明確にするには、毎月の最低ラインの生活費を計算します。
生活費の具体的な項目は、例えば、次のとおりです。
生活費の具体的な項目
・住居費
・光熱費
・食費
・日用雑貨費
・通信費
・交通費
・教育費
・娯楽費
・衣服費
・美容費
・保険費 など
それぞれに最低限必要な金額を書き出し、児童手当や児童扶養手当などの給付金、養育費などを踏まえた上で、毎月いくら稼げば生活していけるのかを計算してみましょう。
最低限の就労条件
シングルマザーが仕事を探すにあたり、最低限の就労条件を明確にしておくことも重要です。具体的な内容は、次のとおりです。
最低限の就労条件
・勤務できる時間帯(通勤時間も含む)
・勤務できる曜日
・残業できる時間
最低限の就労条件といっても、仕事ができる時間帯・曜日は、必ず「子供の預け先の確保がしっかりできている時間帯・曜日」の範囲内で考えましょう。幼い子供を一人で過ごさせるのは危険です。
また、「できる限り、子供と一緒にいたい」といった親心は含めずに考えることが大切です。
たしかに、小さい子供は可愛い盛り。「一緒にいたい」と思うのは、親として当然です。ただ、仕事ができる時間帯・曜日の範囲が広いほど、仕事の選択肢も拡がります。
ここは、最低限の就労条件を明確にすることに徹しましょう。
正社員を目指すなら、各保育サービスの利用も視野に入れよう
正社員を目指すなら、夜間や土日祝日でも子供を預かってくれる保育サービスの利用も視野に入れましょう。子供が病気になったときの預け先も確認しておけば、安心です。
例えば、保育サービスには、次のようなものがあります。
残業や休日出勤、子供が病気のときの預け先
・ファミリーサポートセンター
・ホームヘルパー
・民間の保育園
・ベビーシッター
・病児保育 など
これらは、有料のサービスです。しかし、ある程度実家に頼ることができれば、利用時間・頻度を抑えられ、金銭的な負担は軽く済みます。
保育サービスの利用料と最低限必要な生活費、仕事で得られる収入を比較して、生活が何とか成り立つなら、正社員の求人に応募してみるのもありです。
正社員を目指す場合は、各保育サービスの利用も視野に考えると良いでしょう。
自分の強み
仕事を探すときにシングルマザーが仕事を探すときに明確にしておきたいのが、「自分の強み」です。自分の強みにマッチした仕事なら、応募の結果、採用してもらえる可能性が高いです。
企業は、自社にとってプラスになる人を採用したいと考えています。応募者が多数の場合、同じ仕事の経験者や熱意をもって仕事をしてくれそうな人を優先して選びます。
自分の強みを活かした応募例
例えば、飲食業の接客のバイトをした経験がある場合、同様の求人に応募する方が有利です。「即戦力になる人物」としてアピールすることができます。
採用の可能性の高い求人を見つけるため、自分の強みを明確にしておきましょう。
このように、シングルマザーが仕事を探すにあたり、「最低限必要な収入」「最低限の就労条件」「自分の強み」を明確にしておけば、希望に合う求人を見つけやすくなります。これら3つについて、ハッキリさせておくことをおすすめします。
転職サイト&転職エージェントの利用がおすすめ
仕事や家事、育児にと忙しいシングルマザーが仕事を探すには、転職サイト&転職エージェントの利用がおすすめです。
シングルマザーの場合、仕事をじっくり探したくても、毎日やることが多すぎて十分な時間をかけられないことがほとんどです。転職サイトと転職エージェントを使えば、毎日忙しいシングルマザーでも、効率良く仕事探しができます。
転職サイト&転職エージェントとは
- 転職サイトと転職エージェントは、インターネットから利用できる無料のサービス
- 転職サイトでは、隙間時間を使って、非正社員~正社員を含む様々な求人の中から希望の条件にピッタリのものをパパッと検索できる
- 転職エージェントでは、転職のプロから、希望に合う求人の紹介&就職・転職に向けての徹底的なサポートを受けられる。正社員としての雇用を目指す人向けのサービス
転職サイト・転職エージェントは、どちらも無料で利用できるので、まずは気軽に試してみると良いでしょう。実際、利用する価値は「大」です!
なお、シングルマザーにおすすめの転職サイトと転職エージェントについて、詳しくは「お金に悩むシングルマザー必見!転職エージェント・転職サイトBest3」で紹介しています。ぜひ、参考にして下さい。
今はむずかしくても、将来的には正社員を目指そう
シングルマザーが仕事を探すにあたり、心の片隅で不安・疑問に感じるのは「雇用形態」についてです。
収入や雇用の安定のことを思えば、正社員として働く方が明らかに良いです。ただ、シングルマザーには、就労上の制限があります。悩んだ末、パートやアルバイトなどの非正規の従業員として働くことを選ぶシングルマザーは多いです。あなたも、同様の意見かもしれません。
しかし、今はむずかしくても、将来的には正社員を目指すことをおすすめします。
子供を一人で育てるシングルマザーにとって、正社員として働くメリットは、やはり大きいです。具体的なメリットは、次のとおりです。
正社員として働くメリット
- 雇用に期限がない。急に仕事を失う心配がない
- 健康保険や厚生年金、雇用保険に加入できる
- 有給を使って仕事を休める
- 賞与や退職金をもらえる場合が多い
正社員として働けば、毎月の生活が安定するのはもちろん、老後に備えることもできます。
子供と安心して生活していくには、シングルマザーは、やはり「正社員」として働くことを目指すべきです。子供が小さいうちは難しくても、将来的には、正社員を目指すことを強くおすすめします。
非正規の従業員から正社員を目指す3つの方法
非正規の従業員から正社員を目指すには、次の3つの方法があります。
非正規の従業員から正社員を目指す方法
- 正社員登用制度のある会社で働く
- 非正規の従業員として働き、実績を作った上で正社員の求人に応募する
- 正社員になるのに役立つ資格を取る
会社の中には、正社員登用制度を採用しているところもあります。そのような会社で、まずは非正規の従業員から働き始めるのも方法のひとつです。
また、非正規の従業員として働くことを「実績作り」として捉え、その実績をもって正社員の求人にトライしていく方法もあります。同業種・業界での勤務経験があれば、他の応募者に差をつけることができます。
そのほか、非正規の従業員として働きつつ、正社員になるのに役立つ資格を取得するのも有効です。
シングルマザーが非正規の従業員から正社員を目指す方法について、詳しくは「シングルマザーが非正規社員として働きながら正社員になる方法」をチェックして下さい。
児童扶養手当が減額・停止になっても、正社員を目指すべき
正社員として働くことを考えるとき、多くのシングルマザーが気になるのは、児童扶養手当のことです。
正社員として働けば、児童扶養手当が減額・停止になる可能性が高いです。ただ、それでも、やはり正社員を目指すべきです。
ここで、シングルマザーの所得&雇用形態の変化が児童扶養手当に与える影響についてみていきましょう。
シングルマザーの所得&雇用形態の変化が児童扶養手当に与える影響
シングルマザーが子供2人と生活している場合、シングルマザーの所得が95万円を越えれば、児童扶養手当は全額から一部支給へと切り替わります。所得が268万円を越えれば、児童扶養手当の支給は停止となり、手当は一切受け取れなくなります。
所得とは、年収から社会保険料などの控除を引いた金額のことです。
平成28年度 全国ひとり親世帯等調査の結果によると、正社員として働くシングルマザーの年収は、平均305万円。母子ともに健康で、実家の外で親子だけで生活している場合、シングルマザーの標準的な所得額は270万円となります。正社員で働けば、児童扶養手当がもらえなくなる可能性が濃厚です。
このように、正社員として働けば、多くの場合、児童扶養手当の減額・停止は避けられません。
しかし、児童扶養手当をもらうために仕事をセーブし、年齢を重ねていくうちに、正社員になれる可能性はどんどん低くなっていきます。
正社員の求人には、従業員のキャリア形成のため、年齢制限を行っているものが多いです。児童扶養手当の給付期間が過ぎた頃に正社員になろうと思っても、厳しいかもしれません。
例えば、ハローワークインターネットサービスの求人をみてみると、年齢制限を行っている求人が数多くあります。
(ハローワークインターネットサービスより抜粋)
子供が小さいうちはむずかしくても、子供の成長に合わせて働き方をシフトしていきましょう。
まとめ
このページでは、小さい子供をもつシングルマザーに仕事の探し方&働き方について解説しました。
シングルマザーが希望にピッタリ合う仕事を見つけるには、「最低限必要な収入」「最低限の就労条件」「自分の強み」を明確しておくことがポイントです。
仕事や家事、育児にと忙しいシングルマザーの仕事探しには、転職サイトと転職エージェントが便利です。これらを使えば、シングルマザーの希望に合う求人をパパッと見つけることができます。
就労条件の制限のため、子供が小さいうちは非正規の従業員として働くことを選んだとしても、子供の成長に合わせて働き方をシフトしていきましょう。