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シングルマザーが仕事をするには、子供の預け先の確保は欠かせません。
小学生が学校から帰宅するのは、15~16時頃。保育園が閉まる時間よりかなり早いです。また、小学生には夏休みなどの長期の休みがあります。子供を自宅で一人にさせておくのは心配です。
そこで、おすすめなのが、学童クラブ(以下、学童)です。公営の学童なら、月額5,000円ほどで子供を預かってもらえます。
このページでは、シングルマザーが仕事をするため、小学生の子供の預け先として「学童」を中心に詳しくお話しします。
仕事のため、シングルマザーは小学生の子供を学童に預けよう
学童は、シングルマザーにとって小学生の子供の預け先として最もおすすめの場所です。
学童とは
学童とは、日中、親が仕事をしている小学1~6年生までに対して、放課後に適切な遊びや生活の場を与え、健全な育成を図ることを目的に、厚生労働省の管轄のもと、各自治体が実施している施設です。
正式な名称は「学童クラブ」「放課後児童クラブ」。呼び方は、各自治体によって異なります。略して「学童」「児童クラブ」と呼ぶことが多いです。
公営の学童なら、平日の19時ごろまで子供を預かってもらえます。料金は、月額5,000円前後が目安です。
ただ、学童の開所時間や曜日、料金は、自治体や施設によって様々。そこで、放課後児童クラブ関連資料をもとに、全国の学童の実施状況をまとめてみました。
全国の学童の約8割は、18時以降まで子供を預けられる
まず、学童の開所時間からみていきます。
学童は、放課後18~19時まで開所しているところが大半を占めます。全国の学童の閉所時間は、次のとおりです。
全国の学童の約8割では、子供を18時以降まで預けることができます。学童を利用すれば、残業を少ししてから帰ることもできるかもしれません。正社員やフルタイムのパートで働くシングルマザーにとって、夜まで子供を預かってもらえれば、とても助かります。
年間280日以上子供を預けられる学童が7割以上
続いて、学童に子供を預けられる日数をみていいましょう。
学童は、原則として年間250日以上開所する決まりになっています。実際のところ、年間280日以上開所している学童は、全体の7割以上に昇ります。
全国の学童の開所日数は次のとおりです。
1年のうち、日・祝日を除く日数は298日ほど。年間280日以上開所している学童なら、日・祝日を除くほぼ毎日利用することができます。シングルマザーにとって、いつも決まった場所に子供を預けられる安心感は大きいでしょう。
長期休暇中は、ほぼ1日子供を預けることができる
シングルマザーにとって、夏休みをはじめとした長期休暇中の子供の預け先は悩みの種ですよね。学童なら、長期休暇中はほぼ1日、子供を預かってもらうことができます。
長期休暇中における全国の学童の開所・閉所時刻は次のとおりです。
長期休暇中、大抵の学童であれば、朝から夜まで子供を預かってくれます。そのため、シングルマザーは、安心して通常どおりに仕事に取り組むことができます。
学童の料金は月額5,000円前後が目安
では、学童の料金についてみていきましょう。
学童の料金は、子供1人あたり月額5,000円前後が目安です。具体的には、次のとおりです。
<学童の月額料金の状況>
月額料金 | 全国の学童に占める割合 |
---|---|
2,000円未満 | 2.6% |
2,000~4,000円未満 | 19.5% |
4,000~6,000円未満 | 28.1% |
6,000~8,000円未満 | 22.6% |
8,000~10,000円未満 | 12.9% |
10,000~12,000円未満 | 7.6% |
12,000~14,000円未満 | 2.5% |
14,000~16,000円未満 | 1.6% |
16,000円以上 | 2.7% |
学童の料金で最も多いのは、月額4,000~6,000円未満。公営の学童は、国や自治体から費用の一部について補助を受けていることから、利用の負担は軽く済みます。
また、学童によっては、ひとり親世帯や兄弟・姉妹で学童を利用している世帯、経済的に厳しい世帯に対して利用料金の減免を行っているところもあります。
<利用料金の減免の状況>
減免の種類 | 全国の学童に占める割合 |
---|---|
生活保護受給世帯 | 55.2% |
市町村民税非課税世帯 | 27.1% |
所得税非課税・市町村民税課税世帯 | 7.5% |
就学援助受給世帯 | 18.6% |
ひとり親世帯 | 25.3% |
兄弟姉妹利用世帯 | 41.0% |
その他市町村が定める場合 | 28.7% |
その他クラブが定める場合 | 5.7% |
実際、シングルマザーが自分ひとりの稼ぎで子供を育てるのは大変です。料金の負担が少しでも軽く済めば、とても助かりますね。
学童の安全性・快適さ
ここからは、子供の人数や施設の広さといった環境面から学童の安全性・快適さをみていきます。
シングルマザーが仕事をする上で学童の利用は欠かせないとはいえ、子供が安全・快適に過ごせる場所かどうかは気になります。
全国の学童の状況をみると、20~45人の子供たちを1グループにして保育しているところが6割以上を占めます。また、学童は、規定上、子供1人につき1.65m2以上の面積の確保が必要です。職員は、2人以上を配置することとなっています。
学童の職員とは
- 学童の職員は、一定の条件を満たしている「支援員」と「補助員」に分かれる。
- 学童の職員2人以上のうち1人は支援員であることが必要
- 支援員には、保育士の資格や教育職員の免許を持つ人、高等学校卒業以上の学歴かつ2年以上児童福祉事業に従事した経験をもつ人がなることができる。さらに、各自治体が行う研修を修了することが必須。
全国の学童における職員の配置状況は、次のとおりです。
ここで、学童の基準を認可保育園のものと比べてみましょう。
学童 | 認可保育園 | |
---|---|---|
子供1人につき必要な面積 | 1.65㎡以上 | 1.98㎡以上 |
職員の配置 | 概ね40人以下の子供に対して職員2人以上 | 概ね30人以下の子供に対して、職員1人以上 (4・5歳児のクラスの場合) |
認可保育園と比べると、学童はやや手狭でありつつも、職員の人数は充実しているといえます。ただ、人手があるとはいえ、季節を問わず活発に動き回る小学生の子供たちの安全を屋内外で守るのは大変でしょう。
このように、学童を利用すれば、シングルマザーが仕事中、ほぼ毎日子供を預かってもらうことができます。料金も月額5,000円前後と手頃です。学童は子供にとってやや狭く、100%安全とはいえないものの、自宅で留守番させるよりはずっと安心です。
シングルマザーには、小学生の子供の預け先として学童の利用を考えることをおすすめします。
当サイトの管理人が学童を利用してみた感想
当サイトの管理人である私は、小学3年生の息子と2人でアパートに住んでいます。私は、息子が小学1年生になったときから学童を利用しています。
ここからは、私が実際に学童を利用してみた感想をお話ししていきます。
当サイトの管理人が利用している学童を紹介
まず、私が利用している学童について、簡単に紹介をします。
息子が通う学童は、全部で3つの建物に分かれています。いずれも学校に隣接。小学1~6年生の子供たちが徒歩で通っています。
学童の子供の人数や開所時間、料金は、次のとおりです。
利用している子供の人数 | 学童A:25人 学童B:54人 学童C:21人 ※学童Bは、子供たちをさらに2グループに分けて保育。 |
---|---|
開所時間 | 平日:10:00~19:30 土曜日:7:30~17:00 学校の休業期間:7:30~19:00 ※インフルエンザなどの学級閉鎖のときも、保護者の都合によっては保育あり。 |
料金 | 月額9,800円 (保育料7,300円、おやつ代2,000円、行事積立金500円) ※このほか、1家庭あたり保護者会費200円、任意で「日本の学童保育」購読料として340円かかる。 ※4・5年生は、高学年旅行の積み立てとして月額1,000円を追加。 ※5・6年生は、卒所旅行の積み立てとして月額2,000円を追加。 ※夏休みである8月は1日保育が毎日になることから、月額5,000円を追加。 |
減免措置 | ・5年生以上の保育料は無料(5年生以上は支援員の補佐的役割が多くなるため) ・兄弟姉妹で利用する場合、2人目の保育料は5,300円、3人目以降は無料 ・就学援助受給世帯は、申告により1人目から保育料が半額 |
私が利用している学童では、表にある通り、子供の学年によって月額10,000~13,000円の料金がかかります。
「就学援助受給世帯」とは、就学援助制度から支給を受けている家庭のことです。就学援助制度は、シングルマザーが利用することももちろん可能です。詳しくは、こちらのページをチェックしてみて下さい。
私の息子は、ほぼ毎日学童に通っています。
学童を利用して良かったこと・残念に思うこと
続いて、私の実体験をもとに、学童を利用して良かったこと、残念に思うことをお話ししていきます。
学童を利用して良かったこと
まず、学童を利用して「良かった」と思っていることは、次の3つです。
学童を利用して良かったこと
- 仕事に集中して取り組める
- 他のサービスを使うより料金が安い
- 子供にとって、いろいろな経験の場となっている
学童を利用して「一番良かった」と思っていることは、やはり、仕事に集中して取り組めるところです。仕事中、ほぼ毎日子供を預かってくれる学童なら、子供の預け先に困りません。学童は小学校に隣接していることから移動中の事故の可能性も低く、安心して働いていられます。
また、私の利用している学童は料金がやや高めとはいえ、他のサービスを利用するよりはかなり安く済んでいるのもうれしいポイントです。例えば、民営の学童の場合、料金は月額3~6万円ほどかかります。料金の負担が軽いことは、公営の学童を利用する大きなメリットです。
息子にとっての学童の影響を考えてみると、学童は、同じ学校の友達といろいろな経験ができる貴重な場になっていると思います。学童では、外で追いかけっこをしたり、虫を取りに行ったり、おやつを作ったり…と様々な経験ができます。学童でお泊り会をしたり、旅行に行ったりといったイベントも豊富。家で留守番をして過ごす生活では、そうはいきません。
学童は、私と子供にとって、欠かせない施設です。
学童を利用して残念に思うこと
次に、学童を利用して残念に思うことをお話しします。私が残念に感じていることは、次の3つです。
学童を利用して残念に思うこと
- 子供が宿題をしてこない
- 毎年、必ず役員や係をしなければならない
- 毎月、保護者会に参加しなくてはいけない
学童を利用して残念なところは、まず、子供が宿題をしてこないことです。私が利用している学童では、宿題は子供の意志に任せています。そのため、息子が宿題をして帰ってくることはありません…。学童によっては、宿題をさせてくれるところもあると聞きます。「息子の学童もそうだったらいいのに…」と強く思います。
また、学童を利用している限り、毎年必ず役員や係の役割を担わねばなりません。学童の運営の主体は保護者。利用料金の集金・運用、行事の企画・実施、広報誌の作成、学校や町・他の学童との連携、施設の整備に至るまで、全て保護者で分担してこなします。せっかくの休日を役員や係の仕事で費やすこともあり、私にとってはかなり負担です。
毎月の保護者会への出席も、面倒に思うことのひとつです。保護者会は、学童での子供の様子や翌月以降の予定を聞いたり、毎月の料金を支払ったりする大切な場。私が利用している学童では、全員参加が原則となっています。ただ、そのために、毎月1回、急いで息子に夕食を食べさせ、学童で1時間ほど過ごさねばならないと考えると、憂鬱(ゆううつ)です。
このように、学童の利用には良いこともあれば、残念なこともあります。ただ、シングルマザーが仕事をするなら、学童なしでは生活が成り立ちません。あなたが小学生の子供の預け先を探しているなら、まずは学童の利用を考えましょう。
学童の入所の手続きは確実に済ませよう
仕事のため、学童を利用したいなら、手続きは確実に済ませて下さい。4月から学童を利用する場合、前年の10~12月中、各自治体が定める一定の期間のうちに手続きを済ませねばなりません。
手続きに必要な書類は、入所申請書と就労証明書などです。これらは、学童または自治体の窓口で受け取れます。自治体によっては、ホームページからダウンロードすることもできます。そして、手続きは、自治体の窓口や学童に直接出向いて行います。あらかじめ、住んでいる自治体に確認しておきましょう。
例えば、東京都世田谷区の入所申請書は次のとおりです。
(出典:東京都世田谷区HP)
学童への入所の判断は、各自治体が行います。希望者が多い場合は、低学年の子供が優先となります。入所の可否は、3月頃に自宅に届く決定通知でわかります。
5月以降に利用を希望する場合は、とにかく早く手続きを行いましょう。学童に入れるかどうかは、学童の空き状況によります。入所の手続きは、利用を始めたい日の1、2か月前から受け付けてもらえる場合が多いです。住んでいる自治体の窓口に行って速やかに手続きを済ませるようにして下さい。
なお、提出する書類は不備がないように気をつけましょう。書類に誤りや未記入のところがあれば、手続きが遅れ、希望日から利用できない可能性があります。書類はよく読んで記入し、提出するときには係の人にも確認してもらえば確実です。
学童の入所の手続きは、受付の期間内にしっかり済ませましょう。
学童の待機児童の人数は18,261人
学童の利用を希望しても、残念ながら入所できない場合もあります。
放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)の実施状況によると、全国の待機児童の人数は、2019年5月1日時点で18,261人。このうち、東京都が3,427人、埼玉県が2,049人、千葉県が1,576人に昇ります。関東が全国の待機児童の3分の1以上を占めています。
たしかに、国は、待機児童の問題を解決すべく、2021年度末までに約25万人分、2019年度から2023年度までの5年間で約30万人分の学童の整備を目指す方針を打ち出しています。ただ、今も待機児童が多いのが現状です。
そこで、学童に入れない場合の子供の預け先・居場所をまとめてみました。
学童に入れない場合の子供の預け先・居場所
- 民営の学童
- ファミリーサポートセンター
- ベビーシッター
- 放課後子供教室
- 実家
- 自宅(留守番)
学童に入れない場合、これらの施設・サービスの利用を考えてみると良いでしょう。民営の学童、ファミリーサポートセンター、ベビーシッターについて、詳しくは、こちらのページでお話ししています。ぜひ、チェックしてみて下さい。
放課後子供教室は、文部科学省が推進し、各自治体が行う子育て事業です。地域の住民の協力を得ながら、放課後の教室や公民館などを使って、スポーツやゲーム、工作、料理といった様々な学習や体験、交流の機会を子供たちに与えています。
ただ、放課後子供教室の開催は自治体によって異なり、平日の放課後や週末など様々です。週1~2回の開催のところが多く、毎日利用することはできません。放課後子供教室に関する情報は、子供が学校から持ち帰るプリントや各自治体の窓口・ホームページで得ることができます。参加費は、無料~数百円ほどと手頃です。
学童に入れない場合、これらの施設・サービスを駆使すれば、何とか子供の居場所を確保することができるでしょう。一週間に数回でも実家に頼ったり、子供に留守番をして過ごしてもらったりすることができれば、さらに助かります。
まとめ
学童は、シングルマザーにとって、小学生の子供の預け先として欠かせない施設です。学童を利用すれば、日・祝日を除くほぼ毎日、子供を預かってもらうことができます。料金も月額5,000円前後で済むところが多いです。
学童を確実に利用できるよう、手続きは期限内に済ませておきましょう。