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子供をひとりで育てるシングルマザーにとって、出費はなるべく抑えたいところ。
子供が公立の小学校に通う場合、授業料や教科書代は無料です。ただ、筆記用具・ノート・各種ドリルといった学用品、ランドセル・かばん・通学に使う自転車といった通学用品、給食などにかかる費用は、保護者の負担となります。
そこで助かるのが、「就学援助制度」です。この制度では、小・中学校の学用品・通学用品・給食費などに対して援助を受けることができます。
このページでは、就学援助制度の内容や手続きの方法を解説します。
子供が小学校に通う場合は年間11万円、中学校は18万円かかる
文部科学省の報告によると、子供が公立の小・中学校に通う場合、保護者の年間の負担額はそれぞれ11万円、18万円ほどになるといいます。
<子供が公立の小・中学校に通う場合にかかる年間の費用の平均>
小学校に通う場合 | 中学校に通う場合 | |
---|---|---|
学校教育費 | 63,102円 | 138,961円 |
学校給食費 | 43,728円 | 42,945円 |
合計 | 106,830円 | 181,906円 |
たしかに、小・中学校は義務教育。公立の学校の授業料・教科書代は無料です。ただ、筆記用具・ノートをはじめとする学用品やランドセル・かばんなどの通学用品、給食にかかる費用は、各家庭が負担しなければなりません。
年間11万円、18万円を月額にすると、約1~1.5万円。多くのシングルマザーにとって、毎月の出費を少しでも抑えることができれば、助かるでしょう。当サイトの管理人は、未婚のシングルマザーです。
そこで利用できるのが「就学援助制度」です。ここからは、就学援助制度の内容や手続きの方法を詳しくみていきます。
就学援助制度の内容・手続きの方法をまとめてみた
まず、就学援助制度の概要をみていきます。
就学援助制度とは
就学支援制度とは、子供を学校に通わせるのが経済的に難しい家庭を援助することを目的にした制度。文部科学省が設立し、各自治体が実施をしている。
文部科学省の報告によると、平成30年度に就学援助制度を利用している児童の数は、全国で約137.5万人。利用率でいえば、14.72%。クラスで3~4人ほどの子供が援助を受けていることになります。
就学援助制度は、母子家庭に限らず、経済的に苦しい状態にある全ての家庭を対象としています。
就学援助制度は所得によって利用の可否が決まる
続いて、就学援助制度で援助を受けられる条件をみていきましょう。
就学援助制度で支援を受けるには、同居する家族の前年の所得を合計した金額が基準額を下回っていることが条件です。基準額は、自治体ごとに異なります。
所得の金額は、会社などに勤務している場合は、源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」の欄で確認できます。個人事業主などの場合は、収入から必要経費を引いた金額です。
例えば、東京都世田谷区の基準額の目安をみてみましょう。世田谷区では、「学用品や給食費、郊外活動費などの就学援助制度で援助を受けられる全てに対する支給」と「給食費のみに対する支給」の2通りに分けています。それぞれの基準額は、次のとおりです。
<世帯の人数に対する基準額の目安>
2人 | 3人 | 4人 | 5人 | |
---|---|---|---|---|
全ての支給を受けられる基準額 | 302万円 | 378万円 | 418万円 | 443万円 |
給食費のみ支給を受けられる基準額 | 399万円 | 508万円 | 564万円 | 598万円 |
(出典:世田谷区のホームページ)
同居している家族の所得の合計が基準額を下回れば、就学援助制度から援助を受けられると考えてOKです。ただ、上記の基準額はあくまで目安。実際の基準額は、世帯の構成や年齢によって異なります。判断に迷うときは、とりあえず申請してみると良いでしょう。
このほか、保護者が生活保護などの制度を利用している場合も支給の対象となります。
就学援助制度で受け取れる金額は、年間5万円以上
では、就学援助制度で受けられる援助の金額はいくらでしょうか。支給額は、住んでいる自治体や子供の学年によって異なります。子供が小学生の場合、年間5万円前後の支給が目安です。
例えば、当サイトの管理人が住む自治体の場合、小学3年生の子供をもつ保護者に対する支給額は、次のとおりです。当サイトの管理人である私は、小学3年生の息子を育てています。
学用品費 | 給食費 | 新入学用品費 | センター掛け金 | 校外活動費・修学旅行費 | 医療費 | 計 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1回目の支給 | 5,000円 | 12,000円 | 0円 | 460円 | 実施後に算定・支給 | 治療費を支給 | 17,460円 |
2回目の支給 | 5,000円 | 12,000円 | - | - | 実施後に算定・支給 | 治療費を支給 | 17,000円 |
3回目の支給 | 4,780円 | 10,500円 | - | - | 実施後に算定・支給 | 治療費を支給 | 15,280円 |
合計 | 14,780円 | 34,500円 | 0円 | 460円 | 49,740円 |
私が住む自治体の場合、日本スポーツ振興センターの掛け金や学校の検診で指摘を受けた病気に対する治療費も援助の対象となります。日本スポーツ振興センターは、学校を通して加入する子供の保険です。新入学用品費は子供が小・中学1年生の場合、修学旅行費は子供が中学3年生の場合に支給を受けることができます。
支給が受けられる項目も、自治体によって異なります。
子供をひとりで育てているシングルマザーにとって、就学援助制度から年間5万円前後の援助を受けられれば、とても助かるでしょう。なお、就学援助制度の支給金について、年3回に分けている自治体がほとんどです。
就学援助制度を利用するため、申請書を提出しよう
では、就学援助制度を利用するには、どうすれば良いでしょうか。ここで、就学援助制度を利用するためのステップをまとめてみました。
就学援助制度を利用するためのステップ
ステップ1:子供が入学または進級するときに、就学援助制度の案内の書類を学校から受け取る
ステップ2:就学援助制度の申請書を記入し、学校または住んでいる自治体の教育委員会に提出する
ステップ3:審査の結果が届く。認定を受けられれば支給が開始となる
就学援助制度の利用には申請が必要です。子供が就学援助制度の案内や申請書を持ち帰らない場合、年度の途中から就学援助制度を利用したい場合は、学校に問い合わせるか、各自治体のホームページで確認してみると良いでしょう。学校によっては、案内の書類を配布していなかったり、希望者にのみ申請書を渡したりしている場合があります。
私の住んでいる自治体の申請書は、次のとおりです。
<当サイトの管理人が住む自治体の申請書>
審査の結果、認定を受けられれば、あらかじめ申請書に記入しておいた銀行口座に支給金を振り込んでもらえます。ただ、過去に給食費や学校からの集金を滞納したことがある場合は、学校長を経由した支給となります。
就学援助制度を利用するには、まずは申請書を学校または教育委員会に提出しましょう。
就学援助制度を利用していることで差別を受けることはない
就学援助制度を利用するにあたり、「周りに知られるのではないか」「子供が肩身の狭い思いをしないだろうか」と不安に思う人もいるかもしれません。ただ、そのような可能性は非常に低いです。
上述のとおり、就学援助制度の申請書は、学校または教育委員会に提出します。このとき、教育委員会に郵送してしまえば、外部に情報が洩れることはありません。支給金の受け取りも、基本的には銀行口座への振り込みです。周囲が就学援助制度の利用に気づくことはないでしょう。
ただ、自治体によっては、就学援助制度の申請書の受付や審査結果の通知の窓口を学校に限っている場合があります。給食費に対する援助について、支給金を振り込むのではなく、学校からの請求を止める方法をとっている自治体もあります。そのような場合、就学援助制度の利用の情報が学校に届くのは避けられません。
とはいえ、学校側が就学援助制度の利用を理由に不快な対応をする可能性は低いです。上述のとおり、就学援助制度の利用率は14.72%。学校側からすれば、就学援助制度を利用している家庭は珍しくありません。また、学校は子供の教育の場。そのような責務を担う学校が、差別的な態度や行為をすることは本来あり得ません。
就学援助制度の利用を理由に嫌な思いをすることは、ほぼないと考えて大丈夫です。申請書を教育委員会に郵送でき、支給金を銀行口座に振り込んでもらえる自治体なら、より安心でしょう。
子供と生きていくため、就職・転職することも考えよう
上述のとおり、経済的に厳しい場合、就学援助制度を利用すれば、子供が小・中学校に通う費用に対して援助を受けることができます。
ただ、収入アップを目指して、就職・転職するのも方法のひとつです。
就学援助制度で援助を受けられるのは、子供が学校に通うのにかかる費用の一部に過ぎません。残りは自分で負担する必要があります。また、いくら節約に励んでも、子供が成長するにつれ、出費は増えていくもの。子供のお小遣いや部活動費にもお金がかかるようになっていきます。子供を高校・大学へ行かせてあげたいなら、その分のお金も必要です。
近い将来に増えていく出費に備えて、就職・転職することも考えましょう。
そこでおすすめなのが、転職サイト・転職エージェントです。これらを利用すれば、仕事と子育てを両立しながら、生活に十分な収入を得られる仕事を見つけることができます。
転職サイトとは
転職サイトとは、パートから正社員の求人を掲載しているサイト。土日・祝日休み、残業少なめ、残業なしといった働きやすい条件の求人を一発で検索できる。転職サイトによっては、企業からスカウトの連絡が届くものもある。
転職エージェントとは
転職エージェントとは、正社員として就職・転職したい人を支援するサービス。転職のプロであるキャリアアドバイザーから希望にピッタリの求人を紹介してもらうことができる。さらに、担当のキャリアアドバイザーから採用に至るまでマンツーマンでサポートしてもらえる。
転職サイト・転職エージェントを利用すれば、あなたにとって好条件の求人を最小限の時間と労力で見つけることができます。あなたは、検索した求人または紹介してもらった求人の中から、希望の収入に合うものを選べばOK。仕事探しにかかる手間を大幅にカットできる分、あなたは、応募書類の作成・面接対策に全力を注ぐことができるでしょう。
また、転職サイト・転職エージェントはネットや電話から利用できることも、シングルマザーにとっては大きなポイントです。公的なサービスであるハローワークの場合、実際の利用には施設に直接出向かねばなりません。仕事や育児で忙しいシングルマザーにとって、自宅で都合の良い時間に就職・転職活動をできれば、非常に助かります。
なお、転職サイト・転職エージェントは、いずれも無料で利用することができます。それぞれ、企業から求人の掲載料、紹介料をもらっているからです。
子供との生活に十分な収入を得るため、転職サイト・転職エージェントを利用して就職・転職することも考えてみましょう。
まとめ
このページでは、小・中学校の学用品・通学用品・給食費などに対して支給を受けられる「就学援助制度」についてお話ししました。
就学援助制度は、子供を小・中学校に通わせるのが経済的に難しい家庭を援助する制度です。自治体によって実施内容は異なります。シングルマザーも利用したい制度のひとつです。
ただ、就学援助制度で受けられる支給は、子供が小・中学校に通うのにかかる費用の一部に過ぎません。子供と生きていくため、シングルマザーは、転職サイト・転職エージェントを利用して、より収入が高い会社への就職・転職を考えてみると良いでしょう。