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女性なら、誰しも利用したことがある「美容室」。
そこで働く女性は、どの人もオシャレで若々しく、華やかな印象ですよね。
美容師になれば、手に職を付けることができます。子供のヘアカットを自分ですれば、美容費の節約にもなります。
ただ、美容師の年収の平均は約302万円。多くの場合、仕事で使うシザーや自分の雰囲気を演出する衣服、アクサセリーはこの中から購入します。
また、お店の営業後には、決まって実技練習があります。そのため、子供の預け先の確保は必須です。
このページでは、美容師を目指すシングルマザーが知っておきたいメリット・デメリットについてお話しします。
シングルマザーが美容師として働く上でのメリット・デメリット
美容師は、女性が憧れる職業のひとつ。美容師には、オシャレでキレイな人が多いです。
そこで、家族の生活費を稼ぐため、あなたは美容師の資格を取ることを考えているかもしれません。
ただ、どの職業にも良い点・悪い点はあります。美容師の仕事も例外ではありません。
シングルマザーである私たちが美容師として働く上でのメリット・デメリットは、次のとおりです。
シングルマザーが美容師として働く上でのメリット・デメリット
- 資格を取りやすい
- 将来、自分のお店を持つこともできる
- 低賃金・拘束時間が長い
それぞれについて、詳しくお話しします。
メリット:資格を取りやすい
美容師は、シングルマザーにとって資格を取りやすい職業といえます。中卒から資格の取得を目指すことができます。
美容師になるには専門の教育を受ける必要があるものの、選択肢は「通学」と「通信教育」の2通り。
通信教育を選べば、働きながら学ぶことができます。
そして、国家試験の合格をもって、美容師になることができます。
ここで、美容師の資格を取るための流れをまとめてみました。
このように、美容師の資格を取るには、通学と通信教育のどちらかで学び、国家試験に合格する必要があります。
一家の生活を支える私たちシングルマザーにとっては、通信教育を選ぶのが現実的。
通信教育には3年かかるものの、中卒の人でも受講でき、通学と比べて費用の負担も3~4分の1ほど。上述のとおり、働きながら学べます。
また、美容師の国家試験は年2回。筆記と実技の2種類です。
美容師の国家試験では、一度合格した科目は、次の試験まで「合格」を繰り越すことができます。
1回目の受験で筆記と実技のどちらかが不合格だった場合、2回目の受験は落ちた方だけで受けて合格すればOKです。
美容師は、全ての科目を一発で合格しなければならない看護師などと比べると、資格を取得しやすいといえます。
美容師のアシスタントをしながら資格の取得を目指せば、学費を15~50万円ほど節約できる
通信教育で学びつつ、日中の仕事として美容師のアシスタントを選べば、美容師の資格を取るための費用をさらに抑えられます。
美容師のアシスタントなら、現場で知識や技術を身につけられるため、その分の授業を省略できるからです。
具体的には、学校によって、学費が15~50万円ほど安くなります。
また、アシスタントとして働けば、美容師が本当に自分に向いている職業なのかどうか、資格を取る前に見極めることもできます。
いざ、美容師になってから「失敗した!」と思うのは、絶対に避けたいですよね。
シングルマザーが美容師を目指すなら、通信教育で学びつつ、日中は美容師のアシスタントとして働くのがおすすめです。
支援制度を利用すれば、美容師の資格を取るための経済的な負担をさらに減らせる
シングルマザーが美容師の資格を取るにあたり、さまざまな支援制度を利用することもできます。
具体的な制度は、次のとおりです。
美容師の資格を取るための支援制度
・自立支援給付金事業
・教育訓練給付制度
これらの制度を利用すれば、美容師の資格を取るためにかかった費用の最大70%の支給を受けられます。
それぞれの制度について、詳しくはこちらのページで解説しています。ぜひ、チェックしてみて下さい。
このように、美容師のアシスタントとして働きながら支援制度を利用して通信教育で学べば、経済的な負担を最小限に抑えられます。
美容師は、私たちシングルマザーにとって、費用の面でも取得しやすい資格といえます。
メリット:将来、自分のお店をもつこともできる
美容師は、将来、自分のお店をもつこともできる職業です。
これは、シングルマザーにとって、希望の光ともいえるポイントです。
自分でお店をもてば、学校から帰ってきた子供を「おかえり」と家に迎え入れる生活も夢ではありません。
営業時間やお休みの日は、あなた次第。後述のカットの練習なども、子供との生活に無理のない時間帯に調整できます。
もちろん、お店の儲けは100%自分のもの。シングルマザーにとって、まさに理想の職場といえます。
ただ、自分のお店をもつことは、倒産のリスクも併せ持ちます。経営がうまくいかず、閉店せざるを得ない状況になるかもしれません。
借金をしていれば、毎月の生活費を稼いでいくのに加えて、その返済にも追われることになります。
とはいえ、経営がうまくいっていることを前提にすれば、自分でお店に勝る職場はありません。
シングルマザーが美容師を仕事に選ぶなら、自分のお店をもつことも視野にいれておくと良いでしょう。
デメリット:低賃金・拘束時間が長い
美容師になることには、シングルマザーにとってデメリットもあります。
雇われの身で美容室で働く場合、給料の安さと拘束時間の長さがネックです。
それぞれについて、詳しくお話しします。
美容師の年収は302万円
厚生労働省の平成30年賃金構造基本統計調査によると、正社員として働く美容師の年収の平均は、302万円です。
これは、正社員で働くシングルマザーの年収の平均305万円より3万円少ないです(出典:平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果)。
その上、美容師の多くは、自分の稼ぎの中から1本数万円はするシザーを始め、仕事で身に着ける衣服やアクセサリーといった商売道具を購入しなくてはなりません。
若々しい見た目を保つため、お肌のケアも大切です。
さまざまな出費を考えると、美容師の稼ぎでは、シングルマザーが子供と生活していくには不十分といえます。
美容師を仕事として選ぶなら、生活費のやりくりをうまくしていく必要があります。
営業後にカットなどの練習を行う
シングルマザーにとって、美容師の仕事は拘束時間が長いことも、デメリットのひとつです。
大抵の美容室は、お店の営業が終わった後にカットなどの実技練習を行います。
シングルマザーが美容師として働くなら、子供の預け先の確保は欠かせません。
実技練習の時間や頻度は、お店によってさまざまです。
終了時間を決めずに練習を始める美容室も多く、残業代が出ないところが大半です。
ベテランになれば、自分の練習に加えて後輩の指導もしていかねばなりません…。
いつ終わるのかもわからない、残業代も出ないのでは、ベビーシッターやファミリーサポートなどの有料のサービスは使いにくいです。
実家の協力を得られなければ、シングルマザーが美容師として働くのは難しいでしょう。
このように、美容師は、低賃金・拘束時間が長いのが特徴の仕事。
「美容師になりたい!」との強い思いがないなら、他の仕事を選んだ方が良いかもしれません。
実際に子育て中の美容師さんにインタビューしてみた
ここからは、実際に子育て中の美容師さんにインタビューした内容をQ&A形式で紹介します。
Aさんのプロフィール
高校を卒業後、美容師のアシスタントとして働きながら、通信教育で学び、美容師の資格を取得。
その後、美容師として職場を変えながら働き続け、30代で結婚した。
現在40歳で、3歳の男の子のママ。1年前に自宅の一室を使って美容室を開業した。
質問①美容師の資格を取るのは大変でしたか?
特に大変とは思いませんでした。美容師の資格は、取ろうと思えば誰でも取れます。
通信教育で勉強して、日中アシスタントで働いていれば、通学組より技術が身についているので、実技試験で落ちる人はほとんどいません。
通信組で試験に落ちるとすれば、筆記です。働きながら受験するので、知識的な勉強はできていない人が多いです。
でも、ちゃんと勉強すれば、難しい試験ではないですよ。
美容師の試験の合格率は30%ぐらいだったと思いますが、自分でスケジュールを立てて勉強すれば、大丈夫です。
実技試験にどうしても自信をもてない人は、地方で受験する方法もあります。
東京は美容院の数が多く、どうしても審査が厳しくなりがちです。地方なら試験に通りやすいと言われています。
質問②美容師の仕事は、子育てママには難しいですか?
子育てをしながら、美容師でフルに働くのは難しいです。
美容師は、給料が安い割に帰りが遅い仕事です。カットの練習とかはお店を閉めた後にします。また、定休日以外、休みを取りにくいです。
子育て中だと、保育園への送り迎えがあったり、急に子供が熱を出したりするので、正社員で働くのは厳しいと思います。
実際、私が前に勤めていた美容室では、子供を産んだ人はパートに切り替えることになっていました。
質問③どうして自分のお店をもつことにしたのですか?
子供ができてパートに切り替えたところ、給料が正社員で働いていた頃の半分くらいまで落ちたのが大きな理由です。
あまりにも安くて、店長に交渉して歩合制にしてもらったのですが、それでも給料は10万円台でした。
そこから健康保険料とか年金とか払うと、手元に残るお金って本当に少なくて。
その上、お金を払って子供を保育園に通わせるのかと思うと、バカらしくなりました。
そういったこともあって、自分でお店をやってみようと思いました。
質問④お店は順調ですか?
お店を開いて、やっと1年経ちました。まだ、赤字経営です(笑)
月によって売上の変動が激しくて…年単位でみていかないと、頭がおかしくなります。お客さんが一人も来ない日も、まだあります。
でも、私の場合、自分の家でお店をしているので、その点は良かったなって思っています。
これで、外にお店を借りていると、場所代だけでかなりの出費になってしまいます。
さらに、光熱費とか水道代とかも自宅とは別契約なので、経営はもっと大変だったと思います。
私のお店で、すでに独立している美容師の先輩や仲間から「無駄な出費」と言われているのが、税理士さんを雇っていることです。
でも、私は帳簿をつけるのが苦手なので、削れない経費です(苦笑)
税理士さんからは経営に関することとかも教えてもらえるので、授業料と思ってお支払いしています。
質問⑤お客さん集めは大変ですか?
ありがたいことに、保育園のママ友つながりで来て下さるお客さんが多いです。
ローカル誌に広告を載せたり、ポスティングをしたりもしましたが、「口コミって強いな」と実感してます(笑)
親子でカットに来てくださったり、ママ友同士で誘い合って来てくださったりしています。
でも、いかに前の美容室からお客さんを引っ張って来れるかといったところも、最初の頃のお客さん集めには重要です。
新規のお客さんを増やしていくのは、本当に大変です。
オープン当初からご予約をいただくには、今までのお客さんに来ていただくのが一番です。
ただ、お客さんは「毎月2、3人は必ず減っていくもの」と考えるようにしています。
転勤する方もいますし、気分転換で美容室を変える人もいます。
その分、新規のお客さんを増やしていかないと、経営はきつくなっていく一方です。
質問⑥自分のお店をもってみて、子育てのしやすさはどうですか?
美容室で働いていた頃と比べると、都合の良いときに休みをとれるようになりました。
保育園がやっていない日曜日と祝日、月曜日は定休日にしています。
美容室にとって土日と祝日は稼ぎ時なので、前は休めませんでした。
ただ、自分のお店といっても100%希望どおりに休むことはできません。
日曜日を休む分、土曜日は休まないようにしています。集客を考えると、土曜日まで閉めるわけにはいきません。
土曜日に保育園の行事があるときは、旦那に休みを取って行ってもらっています。
その分、保育園の送り迎えは、私が行くようにしています。
お店のラストオーダーを17時にしているので、延長保育も使ってなんとか間に合っています。
カットとかの練習や勉強は、夕ご飯の後などの都合の良い時間にするようにしています。
自分のお店だからといって、全部が全部、自由にはできませんが、美容室で働いていた頃よりは子育てをしやすくなったと思います。
質問⑦今後の展望を教えてください
もっとお客さんを増やして、しっかり稼いでいきたいと思います。
税理士さんがいうには、「お客さんの人数は40代までがピーク」だそうです。
美容師が年をとると、新規の若いお客さんは来てくれなくなるっていうか…。
50代からは、すでに通っていただいているお客さんと一緒に年を取っていく感じになるみたいです。
なので、今が頑張りどころと思って、お客さんを増やしていきたいと思います。
とりあえず、あと2年は、どんなに稼げるようになっても生活水準を変えないでいくつもりです。
自分のお店をもってから、家族旅行にも行っていません。旦那と休みが合わないのもありますが(笑)
質問⑧お店を大きくする夢はありますか?
このまま自宅でやっていくと予定ですが、パートを一人雇えたらいいなと思っています。管理美容師の資格も取ったので。
あ、管理美容師は、従業員を雇うときに必要な資格です。3年以上、美容師で働いていれば取れます。
2人でお客さんを回せば、計算上、2.5倍の稼ぎにできます。
でも、美容室はどこも人手不足。求人をかけても応募がこないことが多いです。
実は、せっかく美容師の資格をとっても辞めていく人がかなりいるんです。
低賃金で拘束時間は長いし、忙しいとお昼休憩もとれない仕事なので、最近の人には向かないのかもしれませんね。
質問⑨これから美容師を目指すシングルマザーに一言
正直、一家の大黒柱が美容師で生活していくのは厳しいと思います。
雇われの身では、収入的にも労働条件的にもキツイです。
私のように自分のお店をもてば、ある程度は休みや時間を自分の都合に合わせられますが、経営が軌道にのるまでに時間がかかります。
頑張ったからといって、経営がうまくいく保証もありません。私の場合は、旦那の稼ぎがあるからどうにかなっているだけです。
シングルマザーの人がお店をもつなら、最低限、当面の生活費をカバーできるくらいの貯金がないと難しいと思います。
シングルマザーが美容師を目指すなら、まずはアシスタントとして働こう
上述のとおり、美容師は資格を取りやすく、独立の道も拓ける職業。
ただ、収入や拘束時間の長さから、シングルマザーが美容師で生計を立てていくには厳しいといえます。
子供の預け先の確保は欠かせません。
あなたが「それでも美容師になりたい」と思うなら、まずは美容師のアシスタントとして働きながら、通信教育を受けることをおすすめします。
そうすれば、実践的な技術が身につくほか、学費の節約にもなります。
アシスタントとして働きやすい美容室を見つけるには、転職サイトを利用しよう
あなたが働きやすい条件の美容室を見つけるには、転職サイトの利用がおすすめです。
その理由は、次のとおりです。
美容師を目指すシングルマザーに転職サイトの利用をおすすめする理由
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なお、転職サイトは求人を掲載する企業から掲載料をもらっていることから、私たちが利用する分には無料です。ぜひ、気軽に使ってみて下さいね。
まとめ
このページでは、美容師を目指すシングルマザーが知っておきたいメリット・デメリットについてお話ししました。
美容師は、シングルマザーにとって資格を取りやすく、将来、自分のお店を持つこともできる仕事です。
ただ、従業員として働く場合、低賃金で拘束時間が長いのがネック。シングルマザーが美容師になるには、子供の預け先の確保は欠かせません。
それでも美容師を目指すなら、シングルマザーが少しでも働きやすい条件の美容室でアシスタントとして働くことをおすすめします。
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美容師になるため、アシスタントをしながら通信教育で学び、資格を取得するまでにかかる費用を最小限に抑えましょう。